子どもの頃、農家の友だちの家では、古い茅葺屋根の家を
納屋に使うために残しているところが、わりと多かった 中に入ると、ひんやりした古い家の匂いがした たぶん、土と煤の入り混じった匂いだったんだろう その友だちの襟元からも、同じ匂いがした その子の家の匂いがするんやなぁ、と思っていた うちには土蔵があって、友だちの家の納屋とはちょっと違う、土壁の匂いがした 自分の襟元からは、その匂いがするんかな、と思った どの家も、積雪に耐えるよう柱は太かった 寺でも観音さんのお堂でも、縁の下に入ったらあかん、 カマイタチにやられる、うちの弟はやられたことがある、と言う友だちがいた それを聞くたびに、カマイタチって、ホンマにおるんやろか? おらんでも、縁の下には入らん方がええらしいなぁ、とか思っていた 冬にその友だちのところへ遊びに行くと、ぜんざいをふるまってくれた その家のばあちゃんが漬けた白菜の漬物が添えられていて、 甘いもんと漬物は合うんやなぁ、と思いながら食べた 食べながら、友だちの弟や妹が、縁側で猫と一緒に寝転がって遊ぶのを見ていた 縁側は、いつも光のある場所だった (生田緑地にて : その2=日本民家園) つづく
by C-Nemo
| 2006-09-24 20:26
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